Hell・God
無意味
ラ「はぁっ、はぁっ、はぁっ」
浅い呼吸をしながら、ラファエルは走り続ける。
服は泥だらけになり、靴はボロボロになっている。
ラ「畜生!!!」
岩に拳を打ち付け、うおぉぉ、と雄叫びをあげた。
ラ「…なぜだ」
ラ「…この戦争は、意味のある物なのか?」
ラファエルは泣くのを堪えながらも、喋り続ける。
ラ「相手も、味方も…この戦争で、無駄死にしてるじゃないか…!」
軍曹という立場で、10人ほど部下を引き連れて戦ったラファエルだったが。
今は1人。仲間は死んだのだ。
「見つけたぞーーー!!」
ラ「…クソが」
追っ手と思われる奴らが、銃を構えた。
放たれた銃弾をラファエルはギリギリのところでよける。
「弾をよけた!?」
相手は目を丸くし、驚いた。
ラ「はは…俺もたくさん殺しちゃったし、天国には行けねぇな…」
ラ「すまない、俺はここで死んでられないんだ!」
ラファエルは腰に装備していた銃を相手に向け、射った。
「がっ……!」
相手の脇腹に命中し、相手はその場に倒れた。