いつの間にか世界の敵になっていました【完結】


口を開くことが許されない今


自分の身の上を説明することも、頭に浮かぶいくつもの疑問を問うこともできない。



大人しく手を上げ、「立て」という命令に従い「動くな」という命令に背く。





「…………ぃって!」


兵士の中から、私に命令してきた人とは違う屈強そうな兵士が出て来た。


そして何の反抗もしていない私の腕を捻り上げると、そのまま後ろ手に縄を掛けられる。



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