俺様上司と身代わり恋愛!?


例えばお酒だってそうだと思う。

接待とかそういう理由で行った時、私飲めないんです、じゃ場が盛り上がらないし、付き合いにもならない。

そういう場ではある程度お酒に強い人が好まれるのは当然な事だし、それと似たような事なのかもしれない。

課長が吸わない人だったら、周りにいる人たちは課長に気を遣いながら吸わなくちゃになるわけだし。
もしも課長が一番下の立場だった場合、それはあまり好まれないというのは私にも分かった。

でも、だからって健康に悪いとしかされていない煙草を吸うのもどうなんだろう……。

そこまで仕事を優先させた考え方って、たまにネットなんかで見る〝社畜〟とかになるんじゃないのかなぁ……と、そんな事を考えながら眺めていると、課長が急に視線を向けるからビクッと肩が跳ねた。

「そういえばおまえ、昨日の夜、志田と一緒だったんだって?」
「あ……課長の耳にまで届いてるんですね」

女性社員の間で噂が広まるのは分かるけれど、課長までってどういう広がり方をしたら届くんだろう。

そもそものコミュニティーっていうか、そういうものが違う気がするのになぁと思い苦笑いを浮かべていると、課長が言う。

「なんか、おまえが二股してるだとか、だいぶ盛られてたけど聞いたか?」
「ああ、はい。ちょっとなんでそこまで変化したのかは分かりませんけど、お昼休みに更衣室で聞きました」

普通に答えると、課長はわずかに眉をしかめ「嘘なんだろ?」と聞く。


< 69 / 174 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop