俺様上司と身代わり恋愛!?

「すみません……」と苦笑いを浮かべて謝る。

迷惑そうに顔をしかめていた課長は、まったくといった風にため息をついたあと、ゆっくりと歩き始めるから、その隣に並ぶ。

すると課長は不意に「でも、おまえ考えてみるとすごいよな」とこちらを見て言った。

「なにがですか？」
「だってツートップの、俺と志田を週替わりで相手してんだから」
「……考えてみたらそうですね」

考えてみたら本当にそうだし、そもそもナンバーツーの志田さんに想いを寄せているだとかデートの約束まで取り付けているとか……それってすごくすごい事かもしれない。

そして、ナンバーワンの課長と電話したり、こんな風に肩並べて歩いたりしてるし。

そりゃあ陰口ぐらい叩かれても当然……。

「だからって、もし次、誰かに何か言われても、仕方ないだとか当然って顔して受け入れて笑ってんなよ」

頭の中を見透かされたようなタイミングで言われた言葉に、苦笑いを浮かべながら「……はい」と頷く。

「まぁ……臨機応変に応戦します」
「あまりにひどいようならコンプライアンス課に言った方がいい。今はセクハラパワハラと並んでそういう事に力入れてるから」