俺様上司と身代わり恋愛!?


「でもそれじゃあ気持ちのない相手と結婚するみたいじゃない。そりゃ二次元よりは劣るだろうけど、普通にいい人なら多分たくさんいると思うよ」

「それはそうかもしれないけど……興味が持てないのよね。二次元だけで満足だし。
それに、結婚相手に望むものはお父さんにもあるんだろうしね。私は、見た目が生理的に受け付けないだとかそういう感じじゃなくて、あとは人として常識があればそれでいいかなぁと思ってる」

そう説明した美絵が「ほら」と続ける。

「ほら、うち婿養子とる方だしね。男の人にとって戸籍とかって大事でしょ? それを譲歩してうちに来てくれるって時点で結構高いハードルだとも思うし」
「そっか……」

「お父さんの目に留まったそういう人がいるなら、その人でいいかなって」と言う美絵は、よく考えての覚悟なのか、それとも本当に割とどうでもいいのかは分からないけれど……。

でも確かに、婿養子っていうのは男の人にとってはなかなかのハードルかもしれない。

それでも美絵と結婚したいって希望してくれる人なら、確かにいい人なのかもなぁ……とぼんやり考えながらパスタを食べていると、もう既にパスタを食べ終えた美絵が次の料理のとりわけにかかる。

ふた皿めの料理は、シーフードとオリーブのピザ。

六等分されているそれをふた切れほど私のお皿に乗せると、美絵が残りのピザが乗っているお皿を自分の前に置いた。


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