夜の図書室で


 三回目ともなると、放課後に一人で残るという自分の行動について、なにも考えなくなっているというか……。


「あー、またいたー」


 嬉しそうだ。


 今日もナナちゃんの声がする……、けど、あれ? 見えない。


「教室にずっとい続けるのって、あたしにとっては地獄のような拷問だと思ってたけど……、違うのよね」


 僕は自分の席に座ったまま、後ろを見たり、ぐるっと教室を見渡したりした。でもいない。


 どこだ。透明人間みたいだ。


「教室で女の子たちがこっくりさんやっててね。あれはいつの……、まあいいや」


 なんか、思いだしながらしゃべってるようだけど、僕はナナちゃんの声だけが聞こえてくるので、どこを見たらいいのかがわからない。
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