夜の図書室で
さっきから僕がナナちゃんの質問になにひとつ答えてないのに、僕がどう思ってるか、気にならないの?
「あたしとしては、話し相手ができるから、それもいいかもねー」
人が黙り続けているってことに、この雰囲気に、僕の表情に、なにかしら感じとれよ。
笑えないんだよ。
僕は少しだけナナちゃんをにらんだ。気づけよ、と気持ちをこめて。
すると、ふざけていたナナちゃんは、真顔になって、
「怖い。そんな顔しないでよ……。なんかあったの? 今日はやさしくないね」
と、僕を怖がっていた。
「やさしくない?」
「うん」
「やさしさ? そんなものはとっくの昔に行方知れずになったよ」
「あたしとしては、話し相手ができるから、それもいいかもねー」
人が黙り続けているってことに、この雰囲気に、僕の表情に、なにかしら感じとれよ。
笑えないんだよ。
僕は少しだけナナちゃんをにらんだ。気づけよ、と気持ちをこめて。
すると、ふざけていたナナちゃんは、真顔になって、
「怖い。そんな顔しないでよ……。なんかあったの? 今日はやさしくないね」
と、僕を怖がっていた。
「やさしくない?」
「うん」
「やさしさ? そんなものはとっくの昔に行方知れずになったよ」