夜の図書室で


 それから、ナナちゃんは「王子様」という言葉からなにか思いだせないか考えていたけど、なにも出てこなくて、僕はそんなナナちゃんを黙って見ているしかなかった。


 何分たったかわからない。ナナちゃんは思いだせなくて、お腹痛くて我慢しているみたいな顔をしていた。
僕が「もう、帰っていいかな」とナナちゃんに言い、今日は終わりになった。

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