夜の図書室で
「そうかもしれない……。すごい! 芹沢くん。その通りよ! って言えないけど、なんとなくそんな気がする」


 正解が本人にわからないのであれば、これは迷宮入りではないか。


 そんな気がする、で終わった推理ドラマなんて、聞いたことがない。『相棒』でも無理だ。視聴者からクレームが来るに違いない。


「これ、小説のプロットみたいね」


「プロット?」


 知らない言葉だ。


「小説の下書きみたいなものよ。でも、プロットとも言えないな。なんか、メモしたって感じ」


 じーっと原稿用紙を見て、
「こんなこと書いたかなぁ」
 と、ナナちゃんは自分で納得できないようだ。


 まだ言ってる。
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