夜の図書室で
 今日も、教室から生徒が全員いなくなったあと、一人で待っている。
でも、ナナちゃんはいない。


 いきなり目の前に出てきて、また驚かせようとしているのか。


 教室は、時計の秒針の音がかすかに聞こえてくるほど静かだ。


 まだ現れない。もしかして本当に天国に逝けたのか?


 だったら、僕は放課後にもう残らなくてもいいんだ。終わったのか。それなら昨日が最後だったのか。
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