素直になろう
素直になれない
「ーよお、待たせたか?」
そう言って私の前に座るのは、同期の桜田樹。
部署は違うけど、私たちはこうして月に1回のペースで飲み会を開く。
「とりあえずいつものやつでいいよな」
そう言って私の顔を大して見ることもせずに近くの店員に注文する。
別にいい。
だって私が頼んだって、どうせ同じものを頼むんだから。
「どーした、辛気臭い顔して。そんなんだから彼氏も出来ないんだよ」
ーあ、きた。
こいつは一言目か二言目には私に彼氏が出来ないことをからかってくる。
「ーいるし」
「……え?」
「彼氏、できたし」
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