素直になろう
ああ、どうしよう。
嬉しい。こんなにも嬉しいものだっけ。
何か言いたいのに言葉が出てこない。
代わりに顔が熱くなって、鼻がツンとして、目から涙が溢れてくるのを感じる。



「ッ…おいっ!どうした、泣くなよ。ごめんって。なあ、泣くなって、頼むから」


あせって謝り懇願しだした桜田にフルフルを頭を振る。

違うんだよ…嬉しいんだよ。
いつもみたいにしたいのに、顔の温度が上がったままなの。



「…だって、友達にしか見られてないと思ってたから!」

「……え?」

「桜田、私のこと好きになんか、全然見えなかったんだもん!」



そうだ、こうやって2人で飲む仲だけど、もうかれこれ2年はこの関係が続いてきたんだ。
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