恋することを知った恋
そもそもこんな女子らしい店に男の人が一人で入るなら、その理由しかないだろう。
「きっと喜んでもらえると思いますよ、このピンク色は優しい色味の色なので、好き嫌いが分かれないので」
ピンクのネックレスか。
それが似合うなら、きっと可愛い彼女なんだろうな。
あたしは勝手に人の彼女のイメージを想像して遊ぶ。
「ではこちらお持ちしますね」
店員さんはそう言うと、ピンク色の石を使ったネックレスを持って男の人と一緒にレジに戻ってきた。
「ありがとうございます、ラッピングお願いします」
男の人がそう言いながらリュックの中から財布を出したとき、店員さんはあたしを見てから男の人に言った。
「すみません、こちらのお客様が先に待ってくださっていたので…お会計まで店内をご覧になってお待ち頂けますか?」