恋することを知った恋

「俺は川嶋湧太」

次に湧太先輩から声がかかって、あたしは視線を移した。

「桐原杏里です」

「おー、よろしくっ」

湧太先輩は、あたしにも笑顔で手を挙げて見せた。

「杏里もこっちおいでよ」

麻奈美が、笑ってあたしを手招きした。

「あ、うん」

あたしはそれだけ返事して立ち上がる。
< 101 / 400 >

この作品をシェア

pagetop