恋することを知った恋
え、いや…。
別にあたしは後でも大丈夫だけど…。
「そうだったんですね、すみませんどうぞどうぞ」
あたしがそんな言葉を言う暇も無く、男の人はそれだけ言って言われた通り店内の中へ消えていった。
「なんだかすみません、ありがとうございます」
あたしは財布を出しながら、店員さんに軽く頭を下げた。
「お待たせしました」
店員さんはあたしの方を見て笑って、あたしの手から優しくピアスを受け取った。