恋することを知った恋

え、いや…。

別にあたしは後でも大丈夫だけど…。

「そうだったんですね、すみませんどうぞどうぞ」

あたしがそんな言葉を言う暇も無く、男の人はそれだけ言って言われた通り店内の中へ消えていった。

「なんだかすみません、ありがとうございます」

あたしは財布を出しながら、店員さんに軽く頭を下げた。

「お待たせしました」

店員さんはあたしの方を見て笑って、あたしの手から優しくピアスを受け取った。
< 11 / 400 >

この作品をシェア

pagetop