恋することを知った恋

この質問はもしかして。

あたしは心の中に良い予感の前兆を感じて、胸が弾みそうになる。

でも当然そんな態度は出さずに、平然を保つ。

「麻奈美、裏表なくていいやつですよ」

あたしは紛れもない本音を、湧太先輩に伝える。

湧太先輩は窓の外を眺めたまま、少し笑った。

「へえ、そーなんだ」

良い方向に、進めばいい。

湧太先輩は麻奈美の気持ちには気づいているのだろうか。
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