恋することを知った恋

店を出ようと扉の方まで歩きながら、さっきの男の人の方をちらっと見た。

男の人は今度はマグカップや食器を手にとって見ていた。

その彼女と、使いたいと思っているんだろうか。

あたしはまた前を向いて、そっと店を出た。

カランカラン、と扉についているベルが優しく響いた。
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