恋することを知った恋
第4章
探し物と体育館
「無いっ!」
あたしはあまり何事にも動じないタイプなんだけど、こればかりには驚かずにはいられなかった。
「いきなり何、杏里?」
「ピアスが…無い」
そう、あたしはあのピアスを無くしてしまった。
黒瀬先輩と出会ってから、2週間が経った。
特になにも進展は無いまま過ごす、あたしの毎日。
今は正直、何も手につかないくらい焦っている。