恋することを知った恋



「うわ、誰もいないじゃん」

体育館に着いたあたしたちは、重い扉を開く。

麻奈美は放課後の誰もいない体育館の中へと、まるで少女のように走っていった。

実は今日は体育館の大掃除があったらしく、体育館で活動をしている部活はその活動を中止されていた。

だから、体育館は空っぽ。

「いつも人がたくさんいる場所に誰もいないときって、何か特別感あるよね」

そんな言葉を口にしながら進む麻奈美に続いて、あたしも大きく息を吸いながら体育館に入る。
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