恋することを知った恋

教室まで帰って体操着を置いてから、いつもそれからピアスをつけているから。

だからもしかしたら、教室まで帰る途中に落としてしまったのかもしれない。

まだ大丈夫、望みはある…はず。

あたしは自分で自分にエールを送る。

そうしないと、本当に落ち込んでしまいそうだ。



先に出ていった麻奈美のあとを追うように更衣室から出たあたしは、ガラガラと音を立ててそのドアを閉めた。

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