恋することを知った恋

日にちを数えれば全然経っていないし、いつものあたしならこれを久しぶりだなんて思わないだろうけど。

でも、黒瀬先輩にあえない時間はすごく長くて。

「湧太せんぱーい!偶然ですね、どうしたんですか?」

麻奈美はそう言って、向こうから歩いてくる湧太先輩のもとに駆け寄っていく。

「久しぶりにバスケでもするかって黒瀬と盛り上がったから、来てみたら誰もいねーのな」

湧太先輩は制服のシャツを肘の位置より上まで腕まくりしていて、ズボンも膝の少し下くらいまで折っている。
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