恋することを知った恋

あたしはその声に心臓の音が大きくなった気がして、黒瀬先輩に目を合わせる。

目が合うと、いつものように笑ってくれる。

黒瀬先輩もやっぱりシャツを腕まくりしていて、湧太先輩とは違って七分丈のところで止めている。

ズボンは普通に履いているし全体的にシンプルな着こなしだけど、今日も腕につけた白い時計がワンポイントになっている。

この正反対の2人が並ぶと、どんなに恋愛に興味がない女の子だって…思わず振り向いてしまうのではないかと思う。

おまけに2人とも背が高いから、なおさら目立つ。
< 175 / 400 >

この作品をシェア

pagetop