恋することを知った恋

あたしが心の中でそう呟いたときにもう、湧太先輩はスマートフォンを操作していた。

「杏里、グループ招待したいから俺と黒瀬に連絡先教えて？黒瀬と麻奈美はもう招待しておいたから」

は、早。

湧太先輩はそう言ってあたしを見ると、あたしがためらっているのが可笑しいというくらい当たり前に、連絡先を聞いてくる。

「あ、はい」

あくまでも、ネックレスを探すためだけのグループ。

普段から連絡を取らないのであれば、まあ、いいか。