恋することを知った恋
図書室と潤む瞳
無い、無い、どこにもない…。
それからあたしは一生懸命ピアスを探したけれど、本当にどこにも見当たらなかった。
スマートフォンを確認しても、来ることのない連絡。
もしかしてもうみんな諦めてしまって、誰も探してなかったりして。
あたしは徐々に沈んでいく気持ちを引きずりながら、それでも渡り廊下を探し始める。
新しいピアスじゃ嫌で、あれがあたしのものだったから。
何が何でも絶対に探してやるって意気込んだあたしだったけど、さすがにもう諦めかけている。