恋することを知った恋

値段は特別高かったわけじゃないし、またあの雑貨屋に行けば買うことができる。

そこで新しいピアスは、何も知らないであたしを迎えてくれるから。

「…仕方ないのかな」

あたしは長い渡り廊下をただ見つめて、ため息をついた。

ここまで一緒に探してくれた麻奈美、湧太先輩、そして黒瀬先輩。

本当に申し訳ないことをしてしまった。

あたしはスマートフォンを取り出しグループを開いて、片手で素早く文章を打つ。
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