恋することを知った恋

吹奏楽部が練習をしている音楽室の前を通って聞こえる音は、だんだんと離れていって小さくなる。

ここを越せば、図書室は目の前だ。

あたしは小走りしながら、図書室前まで真っ直ぐ向かう。

そして。



「桐原!」



あたしを呼ぶ、声。
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