恋することを知った恋
日曜日の朝、カーテンを開ける。
太陽の光は今日も眩しくて、あたしは目を細めた。
窓の外では近所の小学生たちが朝早くから自転車に乗って遊んでいて、大きな空には白い鳥が羽ばたく。
洗面所でサッと顔を洗い終わると、キッチンで透明のグラスに澄み切った水を注ぎ、飲む。
徐々に目が覚めてきて、あたしはゆっくり伸びをした。
あたしは桐原杏里、17歳。
普通の高校2年生。
好きなアーティストの曲を聴いたり、お気に入りのカフェでお茶をしたりすることが最近の楽しみ。
逆に、勉強をしなくちゃいけないのが最近の悩み。
――彼氏ナシ、好きな人もナシ。
そんなどこにでもいるようなあたしで、どこにでもあるようなそんな日常。