恋することを知った恋
嫌な思い出を思い出す前に、あたしは考えることをやめた。
こんな贅沢な時間の中に自分で嫌な波を立ててしまったことにすら腹が立ちそうになって、あたしはまたカフェオレを飲んだ。
雑貨屋にいたあの男の人。
あの男の人も彼女とああやって、ずっと一緒だと約束してるんだろうか。
あたしはさっき買ったピアスが入っている袋を手に取った。
新しく買ったピアスと、サンドイッチとカフェオレ。
あたしは彼氏がいなくても、こうやって自分に自分で幸せなことを起こしてるから、とっても満足している。