恋することを知った恋

カフェオレをテーブルに置いて、袋からピアスを取り出す。

あれ。

そこであたしは違和感を覚えた。

綺麗にラッピングされている包が、入っていた。

中身は見えない。包装紙に覆われている。

でも――ピンク色の包装紙だった。

まさか。

あたしはその包をそっと取り出して、軽く振ってみる。

シャラン、と金属の揺れるような華奢な音がした。
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