恋することを知った恋

逆になんであたしをここへ呼んだのか分からない。

そういうことなら麻奈美ひとりで来れば、湧太先輩と2人きりだったのに。

もしかしてさすがの麻奈美も、湧太先輩と2人きりはまだ緊張するのかな。

あたしは麻奈美に手を引かれながら、そんなことを考えていた。

――でも当然、そんなわけは無く。


「黒瀬先輩、こんにちは~」


あたしの読みは、甘かった。
< 234 / 400 >

この作品をシェア

pagetop