恋することを知った恋

湧太先輩と同じ席には、黒瀬先輩が座っていた。

「こんにちは」

黒瀬先輩はそう言って、麻奈美に挨拶した。




――そして、今に至る。

「ほんとですか?それなら良かったです~、ねっ杏里」

麻奈美は先輩たちに気づかれないように、あたしの脇腹を肘でつついた。

「あ、うん…ありがとうございます」

あたしはとりあえず先輩たちに頭を下げた。
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