恋することを知った恋

「大丈夫?」

ち、近い。

離れて座ったのに、充分近い。

黒瀬先輩があたしを心配してくれているのが横目で見て分かって、あたしは目を合わせないまま頷いた。

仕方ない。

これは事故だ。

男の人2人でファミレスに入って、隣同士に座る人なんてなかなかいないから。

残った席がそれしかないんだから、仕方ない。

事故だ、事故。
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