恋することを知った恋
あたしの意思で座ったわけじゃありませんよ…と。
――だから、人付き合いは得意なんだってば。
それなのにあたしは、自分で自分が嫌になるくらいドキドキして、気持ちを隠すために足元に視線を落とした。
――足。
テーブルの下に、黒瀬先輩とあたしの足が並んでいた。
当たり前のことなのに、異常にドキドキする。
普通のことなのに、普通のことじゃない。
こうやって隣に座ることなんて、絶対に無いと思っていたのに。