恋することを知った恋

もしかして彼女に買ってもらったのかもしれない。

プレゼントとかかな。

いや、もういい彼女のことは考えない。

そう心に言い聞かせたあたしの足元は、気がつけばきっちりと揃えられていた。

すごく乙女モード全開なあたしがすごく嫌になって、小さく咳払いをした。

ダメだ。

この空間の中じゃ、どこを見ても黒瀬先輩のいない世界にはたどり着けない。

これ以上好きになるとまずいのに。

辛くなるだけなのに。
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