恋することを知った恋

無意識に、背伸び、しているのかもしれない。

あたしの嫌いな“好きな人に合わせる態度”が完全に出てしまっている。

ありのままのあたしでいたいのに…黒瀬先輩の前になると、それがうまくいかないことも多々。

「オッケー、じゃあ頼むね」

麻奈美はあたしにまたにやっと笑って、店員さんを呼び出した。

麻奈美、お願いだから目が会うたびにニヤッと笑うのやめて。



あたしは心の中で麻奈美にそう念じて、そのままドリンクが来るのを待っていた。
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