恋することを知った恋

「杏里っ」

麻奈美があたしを呼ぶ声が聞こえた。

あたしは聞こえないフリをして、レジまで歩く。

「お会計ですか?」

声をかけてきたレジの店員さんに、適当に千円札を渡す。



「お釣り、いりません」



あたしはそれだけ言って、ファミレスをあとにした。
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