恋することを知った恋

「そうかな」

杏里はあたしのことどう思ってるか知らないけど、あたしは杏里の親友だと勝手に思ってる。

この人が杏里の気持ちを知らない以上、あたしも何も言えないけど。

もし杏里のことを傷つけるようなことしたら、許さないから。

年上だろうとなんだろうと関係ない。



――杏里は、あたしを救ってくれた人。



あたしもそのくらいの恩返しはできる。

あたしは鈴乃さんを見ながら、心の中でそう宣戦布告した。
< 264 / 400 >

この作品をシェア

pagetop