恋することを知った恋

かきあげた金髪のロングヘアに、着崩した制服。

腕を組んで偉そうに立った姿に、誰にも曲げられない信念を感じた。


――嫌いじゃないかも。


あたしがそのまま麻奈美を見つめていると、女子生徒のひとりが声を荒げた。

「だから調子乗んなって言ってんだろっ!!」

危ない。

気づけばあたしは、その女子生徒が振り上げた手を後ろから掴んでいた。

当然、今まで麻奈美に向けられていた3人のイライラの対象が、あたしへと変わる。
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