恋することを知った恋

あたしは掴んだ手をそっと離して、女子生徒たち3人の目を見て冷たく言い放った。

「この人が可愛くて好きな格好できて羨ましいからって嫉妬してこんなことするくらいなら…まずその性格…どうにかしたら?こんなことしたって可愛くなれないよ」

そのときあたしは女子生徒たち3人にそう伝えることに気を取られていて、麻奈美の表情を見る暇はなかった。

「ほんと意味わかんないんだけど」

「シラケたし…行こ」

図星な女子生徒たち3人は、言い返すことのできないことを言われてその場にいられなくなったのか、あたしの横を通り過ぎて行く。
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