恋することを知った恋

「行ってきまーす」

あたしは軽くヘアメイクをして、コーヒーを飲んでいた母親に声をかけた。

「あまり遅くならないようにね」

母親は笑って、あたしをあたたかい言葉で見送った。

あたしは返事をしてから、家を出る。

すぐに、さっき部屋の窓から見えていた近所の小学生たちがあたしに元気よく挨拶をする。

仕事が休みでジョギングをするお兄さんや、赤ちゃんを連れて歩くお母さん。

それぞれの幸せは、今日も平和にこの国を作っていた。

せっかくの日曜だ。

平日には行けないような場所に行きたい。

でも平日に行けるような場所でリッチに過ごすのもいい。

あたしはとりあえず街に向かった。

あたしの休日のスタイルは、いつもこう。

行き先を決めないで家を出て、可愛い店を見つけたら入ってみたり、美味しそうなレストランを見つけたらそこでランチしてみる。
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