恋することを知った恋
「杏里っ」
翌日、あたしが登校して教室に入ると、麻奈美が真っ先にあたしの元へ走り寄ってきた。
月曜日、週の始まり。
教室はいつも通り賑やかで雰囲気は良く、1年前のような悪口を言って盛り上がるような生徒はいない。
あたしは麻奈美を見て、少し笑う。
「昨日はありがとね、嬉しかった」
麻奈美とはじめてあんなに長文のメッセージを送り合って、あたしは麻奈美と出会った時のことを思い出して。