恋することを知った恋
もしかしたらもうすでに黒瀬先輩に、あたしのことを悪く言って…黒瀬先輩にあたしを嫌わせようとしているかもしれない。
「うっわ…あたし絶対鈴乃さん裏あると思ってたんだよ!無視だよ無視!こんなあからさまな嫌がらせ!杏里、連絡先教えなくていいからね」
麻奈美はスマートフォンの画面を見つめたまま、嫌な顔をしてあたしに忠告した。
そしてオレンジジュースを飲んだ麻奈美は、あたしにスマートフォンを返す。
あたしはもう一度メッセージを読んで、口を開いた。
「…いいよ教えても」