恋することを知った恋

3年生はあたしたちとは違ってやっぱりちょっと大人っぽくて、あたしは一気に子供になったように教室を見てまわる。

「っていうか何組なの?その先輩は」

「いたっ!いたよ!いた!杏里!」

あたしの質問は全くもって無意味だったみたいで、麻奈美はお目当ての人物を発見したらしい。

「どこ?」

あたしは麻奈美の視線の方を見る。

「あの人、窓際の!ほら今笑った!」

麻奈美は教室の中を指差して説明するけど、その説明がざっくりしすぎてて全く伝わらない。
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