恋することを知った恋

それはあたしに対する不器用な祝福のメッセージで、少しだけ複雑な気分になる。

でも彼はあたしを選んでくれたのだから、このメッセージは素直に受け取ろう。

あたしは少し笑ってスマートフォンをしまった。



「杏里!」




そう呼ぶのは――


「颯斗」


待ち合わせ場所であるコンビニの近くの大きな木の下で待っていたあたしに、彼はそう声をかけた。
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