恋することを知った恋
「新作なんですよ~、どんなファッションにも合うのでいろんな場面で使いやすいと思います」
あたしは店員さんの言葉に頷く。
「よかったらお鏡もあるので合わせてみてくださいね」
店員さんは鏡をあたしの近くに持ってきてから、笑顔でレジの方に帰っていった。
残された鏡に、映ったあたし。
まだ手に持ったままだったピアスを、そっと自分の耳元に近づけた。
トクン、と胸が鳴ったような気がした。