恋することを知った恋
第3章
秘密とパーティー
それを恋だと自覚して、あたしの毎日は少しずつ変わりつつあった。
前は目をそらしていた片思いという言葉。
雑誌の占いのページに書いてある恋愛運。
街をゆく黒いリュックを背負った彼に似た後ろ姿。
すべて、前より楽に受け止めることができるようになったのだ。
人を好きになってもいいと思うことで見えてきた世界。
人を好きだと認めることで軽くなる心。
麻奈美のあの言葉は、あたしに大きな影響を与えてくれた。