恋することを知った恋

あたしは気づけばもう、黒瀬先輩と目が合っていた。


「そのピアス、この間の」


笑顔で、あたしのピアスを指差した。

胸が高鳴る。

お気に入りのピアスと、ちょっと好きな先輩。

目が合ったまま、あたしは固まる。

どうしてこういう時、ちゃんと会話できないんだろう。

あたしは何か返さなきゃと思い、少し焦る。

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