your side
2
優しい女性の声で後ろを振り向いたみなみは、目を疑った。長い黒髪、しなやかな線の女性。紛れもない。
「亜弥ちゃん……?」
女性は更に微笑んで、
「そうよ。」
と、言った。
みなみは、満面の笑みを浮かべ、再度確認した。
「亜弥ちゃんなの!?」
亜弥は口元を開いて笑顔になり、
「そうよ!」
と返事をした。
みなみは大手を振って駆け寄り、亜弥に抱きついた。亜弥は、その華奢で小柄なみなみを、しっかりと抱きしめる。
「嘘でしょ!」
そう言ってみなみは、亜弥の顔を見上げた。
「本当に亜弥ちゃん?」
みなみは興奮する。
「そうよ、紛れもなく、亜弥よ。」
「えっなんでなんで!?」
「みなみの家の隣のキャサリンおばさんが、叔父様叔母様が亡くなったって、わざわざ電話をくれたの。みなみが独りになっちゃうから、どうしたらいいかって。」
みなみは表情を変えた。
「そうなの……キャサリンおばさんが……」
「だから、慌てて日本からとんできたのよ。」
亜弥は、そっと墓に花束を添え、海を見つめた。
「懐かしいわね、この丘。」
亜弥は感慨深げな表情を浮かべた。
「昔、よく2人で来たわよね。」
「うん……亜弥ちゃんが日本に行ってしまってからも、よく来てたの。ここから海を眺めてると、嫌なこと全部忘れられるんだよね。思い出のこの丘に、お墓をつくることができて、良かった。パパもママも喜んでるかな。」
亜弥が立ち上がった。そして、みなみの背後から、話し出した。
「ねえ、みなみ。」
「ん?」
「日本から来たのはね、あなたを、日本で受け入れようと決めたからなの。」
る
みなみは驚いて振り返った。
「え?」
「私の両親もいなくなってしまってね。父と母と住んでた家をちょっと改装して、シェアハウスにしたのよ。住んでるのは3人。みんな、色んな事情で両親がいないの。年は偶然にもみなみと一緒。」
「亜弥ちゃん……?」
女性は更に微笑んで、
「そうよ。」
と、言った。
みなみは、満面の笑みを浮かべ、再度確認した。
「亜弥ちゃんなの!?」
亜弥は口元を開いて笑顔になり、
「そうよ!」
と返事をした。
みなみは大手を振って駆け寄り、亜弥に抱きついた。亜弥は、その華奢で小柄なみなみを、しっかりと抱きしめる。
「嘘でしょ!」
そう言ってみなみは、亜弥の顔を見上げた。
「本当に亜弥ちゃん?」
みなみは興奮する。
「そうよ、紛れもなく、亜弥よ。」
「えっなんでなんで!?」
「みなみの家の隣のキャサリンおばさんが、叔父様叔母様が亡くなったって、わざわざ電話をくれたの。みなみが独りになっちゃうから、どうしたらいいかって。」
みなみは表情を変えた。
「そうなの……キャサリンおばさんが……」
「だから、慌てて日本からとんできたのよ。」
亜弥は、そっと墓に花束を添え、海を見つめた。
「懐かしいわね、この丘。」
亜弥は感慨深げな表情を浮かべた。
「昔、よく2人で来たわよね。」
「うん……亜弥ちゃんが日本に行ってしまってからも、よく来てたの。ここから海を眺めてると、嫌なこと全部忘れられるんだよね。思い出のこの丘に、お墓をつくることができて、良かった。パパもママも喜んでるかな。」
亜弥が立ち上がった。そして、みなみの背後から、話し出した。
「ねえ、みなみ。」
「ん?」
「日本から来たのはね、あなたを、日本で受け入れようと決めたからなの。」
る
みなみは驚いて振り返った。
「え?」
「私の両親もいなくなってしまってね。父と母と住んでた家をちょっと改装して、シェアハウスにしたのよ。住んでるのは3人。みんな、色んな事情で両親がいないの。年は偶然にもみなみと一緒。」