your side
赤いセダンを、達也は運転している。
助手席に座る亜弥が、楽しそうに話し出す。
「達也は、慶成医大病院のドクターをしているのよ。」
「そうなんですか。凄いですね」
「俺達、家族になるんだから、敬語はなし。」
「家族……?」
「そうよ、家族になるの。」
「家族、か。」
みなみは少し嬉しくなった。
不安が少し軽くなった。
「私はね。死体を検死する仕事をしてるのよ。」
「へえー!二人共凄いんだね。」
首都高速を、ビルの間をすり抜けながら、車は走った。
緑の多い住宅街。大きな公園がある閑静な場所に、1階建ての平屋がある。決して新しいとは言えない家だ。茶色い、縁に錆の付いたドアの鍵穴に、亜弥は鍵を差し込んだ。ガタガタと音を立て、鍵が開き、ドアを開ける。家の中を覗くと、先ずはダイニング、小さいキッチンが見える。玄関に足を踏み入れる亜弥とみなみ。
「ここがみなみの住む家よ。」
中に入る3人。
向かって左の一番手前の部屋の前に立ち、亜弥は言った。
「ここがみなみの部屋。」
みなみは「へえー」と言いながら、襖を開けた。中は8畳ほどの、なかなかの広さだった。達也がみなみと亜弥の間をすり抜け、
「じゃあ、荷物ここに置くな。」と言って、トランクを端に置いた。
「結構広いんだねー」
と言いながら、みなみは嬉しそうに部屋の隅々を見て回った。
「みなみの部屋が、一応1番広いのよ。」
亜弥が言うと、みなみは、あっと思い出したかのように、亜弥に尋ねた。
「一緒に住むのは、どんな子なの?」
亜弥はバツが悪そうに表情を歪ませ答えた。
「そのことなんだけど……。実はね、3人とも男の子なのよ。」
「えっ……」
「あー、でもね、3人とも、変な子じゃないから!」
言い訳がましく亜弥は言った。
「本当に大丈夫なのか?」
達也が言った。
「でも、うちは2LDKのアパートで、いっぱいいっぱいだし……ごめんね、みなみ。その内、マンションに移る予定だから、そうしたら一緒に。ね?」
「私は構わないよ。変な人達じゃないんでしょ?本来なら、孤児院に行くところを、拾ってもらったんだもの。ワガママいったら、罰があたる。」
助手席に座る亜弥が、楽しそうに話し出す。
「達也は、慶成医大病院のドクターをしているのよ。」
「そうなんですか。凄いですね」
「俺達、家族になるんだから、敬語はなし。」
「家族……?」
「そうよ、家族になるの。」
「家族、か。」
みなみは少し嬉しくなった。
不安が少し軽くなった。
「私はね。死体を検死する仕事をしてるのよ。」
「へえー!二人共凄いんだね。」
首都高速を、ビルの間をすり抜けながら、車は走った。
緑の多い住宅街。大きな公園がある閑静な場所に、1階建ての平屋がある。決して新しいとは言えない家だ。茶色い、縁に錆の付いたドアの鍵穴に、亜弥は鍵を差し込んだ。ガタガタと音を立て、鍵が開き、ドアを開ける。家の中を覗くと、先ずはダイニング、小さいキッチンが見える。玄関に足を踏み入れる亜弥とみなみ。
「ここがみなみの住む家よ。」
中に入る3人。
向かって左の一番手前の部屋の前に立ち、亜弥は言った。
「ここがみなみの部屋。」
みなみは「へえー」と言いながら、襖を開けた。中は8畳ほどの、なかなかの広さだった。達也がみなみと亜弥の間をすり抜け、
「じゃあ、荷物ここに置くな。」と言って、トランクを端に置いた。
「結構広いんだねー」
と言いながら、みなみは嬉しそうに部屋の隅々を見て回った。
「みなみの部屋が、一応1番広いのよ。」
亜弥が言うと、みなみは、あっと思い出したかのように、亜弥に尋ねた。
「一緒に住むのは、どんな子なの?」
亜弥はバツが悪そうに表情を歪ませ答えた。
「そのことなんだけど……。実はね、3人とも男の子なのよ。」
「えっ……」
「あー、でもね、3人とも、変な子じゃないから!」
言い訳がましく亜弥は言った。
「本当に大丈夫なのか?」
達也が言った。
「でも、うちは2LDKのアパートで、いっぱいいっぱいだし……ごめんね、みなみ。その内、マンションに移る予定だから、そうしたら一緒に。ね?」
「私は構わないよ。変な人達じゃないんでしょ?本来なら、孤児院に行くところを、拾ってもらったんだもの。ワガママいったら、罰があたる。」