your side
夜11時を過ぎた頃。
みなみは何となく寝付けずにいた。水でも飲もうと、部屋のドアを開けた。リビングのソファに、拓也たちが座ってテレビを観ている。みなみは「あ。」と思ったが、目を逸らし、キッチンに向かって歩き出した。
「お前、両親亡くしたんだってな。」
翔が言った。
「え?」と、みなみは立ち止まり、翔を見た。
「あ、うん。」とうなづいた。
「3人は、両親は?」
今度はみなみが遠慮しながら質問した。
翔が口を開いた。
「俺と拓也は、物心ついた頃にはもう施設にいた。で、コイツは……」
康二の事を話そうとしたが、すかさず康二は
「僕は捨てられたんだ。」
と言った。
「小さい頃から、父さんも母さんもにーちゃんにーちゃんで、挙げ句の果てに僕は施設に入れられたんだ。」
淡々と話した。その場が沈黙した。
「そうなんだ……」
みなみはどう答えたら良いのかわからず、そう言うのが精一杯だった。
拓也は黙っていた。
みなみは何となく寝付けずにいた。水でも飲もうと、部屋のドアを開けた。リビングのソファに、拓也たちが座ってテレビを観ている。みなみは「あ。」と思ったが、目を逸らし、キッチンに向かって歩き出した。
「お前、両親亡くしたんだってな。」
翔が言った。
「え?」と、みなみは立ち止まり、翔を見た。
「あ、うん。」とうなづいた。
「3人は、両親は?」
今度はみなみが遠慮しながら質問した。
翔が口を開いた。
「俺と拓也は、物心ついた頃にはもう施設にいた。で、コイツは……」
康二の事を話そうとしたが、すかさず康二は
「僕は捨てられたんだ。」
と言った。
「小さい頃から、父さんも母さんもにーちゃんにーちゃんで、挙げ句の果てに僕は施設に入れられたんだ。」
淡々と話した。その場が沈黙した。
「そうなんだ……」
みなみはどう答えたら良いのかわからず、そう言うのが精一杯だった。
拓也は黙っていた。